看護師になってから何科で働きたいかって?
何科とか部署とかどこがどう違うの?実習と課題で大忙しで、そんなの考える余裕ないよ!
看護学生の皆さん、講義に演習にレポート課題、そして実習…、バイトやサークルに励んでいる方もいるでしょうか?毎日忙しい中、お疲れ様です😭
それらや国家試験を乗り越えた時に、自分が看護師としてどんな風に働いていくのか、具体的なイメージを持っていらっしゃる学生さんはいますか?
新人看護師の皆さんは、採用時に配属先が決定してしまうことがほとんどでしょうか?まだ、異動や正式配属までに選択のチャンスが残っていますか?
筆者は、学生時代にそんなことを考えたことは一度もありませんでした…。
目の前の実習やテストを乗り越えるので精一杯でしたし、看護師が毎日どんな仕事をしているのかすら、ちゃんと知ろうとしたことはなかったです。
新人時代も同様、今後のキャリアやずっとこの科でやっていくかなど、考える余裕はありませんでしたね…。
だからこそ、就職してからリアリティショックがすごかった!
今考えればちゃんと情報収集しておくべきでした…!
希望する診療科、部署、分野、定まっていますか?
新卒看護学生の多くが就職する、総合病院
厚生労働省の調査によると、全国にいる正看護師のうち、約7割が病院で勤務しています。クリニックや訪問看護へ行く新卒は、かなりの少数派と言えます。
この記事を読んでくださっている看護学生の皆さんも、新卒の就職先としては、市中や大学附属など規模の大小はあれど、総合病院を考えている方は多いのではないでしょうか。
総合病院に就職する看護師は、採用時に希望する診療科や配属先を聞かれることがあります。
しかし、学生時代に何科の看護師になろうかな、こんな働き方をしたいな、と具体的なイメージを持てる機会って少ないですよね。
多数の診療科から、どこを、どういう基準で選ぶ?
私は4年制の看護学部を卒業したあと総合病院に就職しました。
4年生の夏に就職試験があり、その際履歴書に希望する所属部署を3か所書きましたが、当時はそれぞれの科や部署でどんな違いがあるかもよく分からず、とりあえず実習で経験した3科を書いた記憶があります。
結果、1年目のお試し配属では希望を書いた部署に配属されましたが…自分が想像していた感じとは全く違っていたんです。
学生時代にちゃんと調べていなかった私は、就職してはじめて、科や病棟、部署によって、看護師の仕事って大きく異なるものだということに気付いたんですね…。
私の病院では、お試し配属の後、1年目の最後に再度正式な希望をとるので、2年目からはしっかり自分で考えて決めた循環器内科に配属されました!
それにしても看護学生時代の自分、もうちょっとちゃんと色々と調べておいてほしかったですね…。笑
全員が同じ国家資格を持って病院で働いているといっても、配属される場所によって本当に業務内容の大きく異なる仕事、看護師。
個人の性格や理想の看護師像、看護観によって、その場所に合う・合わないがあるのではないか…と私は感じています。
この記事では、私が看護師として働き始めてから、学生時代、正式な配置が決定する前の新人時代に、知っておけば良かったな~と感じた看護師の仕事内容について、大きな所属部署別にご紹介していきたいと思います!
看護の仕事の実際って?
看護学生時代、実習では、一度に受け持つ患者さんは一人。
じっくりアセスメントをして、関連図を作って、看護計画を立てて、実施・評価を行って…その患者さん一人のことに集中できますが、実際に看護師として仕事をし始めると、そういうことは全くもって難しいのが現実…!
1日に何人もの患者さんを受け持って、内服や点滴の管理をしたり、オペ後の観察をしたり、お下の世話をしたり。そもそもその時点で、ギャップが大きいですよね。
まだ実習の機会が残っている学生さん、余裕があれば、病棟で看護師がどんな業務をしているか、何であんなに忙しそうに走り回っているのか、何であんなに汗だくになっているのか、前後の行動や報告をこっそり観察しておくといいかもしれません…!
それでは、所属部署ごとに、看護師がどんな仕事をしているかご紹介していきます!
※私が所属する病院において、私が先輩や同僚、後輩から聞いた情報をもとに記事を作成しています。病院や施設によっては、業務内容や詳細はそれぞれ異なりますので、ご注意ください。参考程度にお読みいただけると幸いです。
病棟ナースの業務内容
看護師の仕事をイメージする時、一番にあがるのは病棟看護師の業務内容なのではないかと思います。
病棟には24時間365日、常に患者さんが入院しているため、病棟ナースは日勤・準夜・深夜などの交代制勤務で働いています。先に述べたのは3交代勤務ですが、最近は日勤・夜勤で構成されている2交代勤務の病院も増えてきていますね。
食事の配膳、バイタルサインの測定、検査やオペ出し・迎え、内服管理、点滴管理などを行います。
自分で清潔行動を行うことができない患者さんの清拭・洗髪・陰部洗浄を行ったり、病室の環境整備を行うことも大切や役割です。
その中で、バイタルサインに異常がある際や、急変があった際には、医師に報告したり、看護師自ら必要な処置を考えて対応していかなければなりません。
また、規模の大きな総合病院では入退院が多く患者さんが頻繁に入れ替わることも少なくありません。
入院してきた患者さんにこれまでの自宅での生活の様子を聞いたり、退院後必要な自己管理方法について指導したりもします。
夜勤で患者さんが寝ている間も、翌日朝の内服の準備をしたり、夜間に投与する点滴を繋いだり、異常がないかナースステーションのモニターで観察したりと忙しくしています。
落ち着いていれば、交代で仮眠をとることはできますよ。
診療科により、入院してくる患者さんの疾患や、患者さんが受ける手術・治療はそれぞれ異なりますが、外科病棟と内科病棟で特徴があるので、大きく2つに分けて紹介していきます。
病棟の診療科別紹介は、また次の記事でやっていきますね!
外科
- 消化器外科
- 整形外科
- 泌尿器外科
- 乳腺外科
- 耳鼻咽喉科
- 形成外科
- 心臓血管外科
- 呼吸器外科
- 歯科口腔外科
- 眼科
- 脳神経外科
等々…数多くの診療科がありますが、これらの診療科は治療として患者さんに対して手術を行っています。
この診療科の病棟には、治療として手術を控えている患者さんが多く入院してくるということですね。
近年、術後の離床は回復を促すためかなりのスピード感で進められるようになっています。
また、在院日数の短縮も求められており、大きな手術をした患者さんでも、術後あっという間に退院・転院していくことが多いです。
そのため、外科病棟の入院患者さんは早いサイクルで入れ替わっていきます。
手術前に必要な準備や処置、術後の離床、退院までに必要な環境調整、退院後に必要な自己管理…これらを患者さんと医療者とで協力して、限られた期間の中で進めていかなければなりません。
また、術後の患者さんの状態は容易に変化しやすく、起きうるリスクを考え予測的に対応していく力も求められます。急変時対応での的確な判断が必要です。
こういった特徴から、外科のナースはてきぱきしていて気が強い!というイメージを持たれがちかもしれません。笑
実際、外科で働いている同期や外科経験のある先輩は、とても仕事が早いですし、頼りになります!
私は、外科は先生たちも看護師も、体育会系!っていうイメージがありますね…笑
自分が内科出身なので、外科ナースは本当にかっこよくて憧れです
しかし、手術だけでなく、化学療法、放射線治療を行うために長期入院する患者さんもいます。
病気の長い経過のなかで患者さんがどの段階にいて、必要としているケアや援助は何なのかをじっくりと考える機会もありますよ。
内科
- 消化器内科
- 腎臓内科
- 神経内科
- 血液内科
- 循環器内科
- 糖尿病内科
- 精神科
- 感染症内科
- 呼吸器内科
- 膠原病内科
- 腫瘍内科
これらの診療科は、基本的に手術は行いません。薬物治療などの内科的治療を主としています。
慢性的な経過をたどる病気を持つ患者さんが多く入院してきます。
入退院を繰り返す患者さんも多く、受け持ち看護師として継続して受け持つと、かなり長いお付き合いになる場合も。
動脈硬化症や糖尿病、高血圧症、高脂血症といった、生活習慣病を抱えている場合が多いことも、内科病棟に入院している患者さんの特徴のひとつです。
こういった患者さんに何より大切なのは、医療者主導で治療を進めていくことではなく、患者さん自身が行っていかなければならない、セルフケアです。
患者さんの病態だけでなく、その人がこれまでに生きてきた生活を考え、どうすればセルフケア能力を身に着け発揮していってもらえるのか考え、患者さん自身が疾患と折り合いをつけながら生きていく方法を、患者さんと一緒に考えていくことがとても大切です。
また、難病を抱えていたり、手術で完治せず終末期に向かっていく患者さんと接する機会も多いため、患者さんの辛い思いに共感したり、自己決定支援を行ったりと、患者さんを精神的に支える役割を担うこともあるでしょう。
しかし、内科だからといって重症度や急変のリスクが低いかといえば、決してそんなことはありません。経過の長い複雑な病態、これまでに使ってきた薬について理解し、今後どういった予後を辿っていく予測なのか、その過程で何が起こりうるのかを考える必要があります。外科ナース同様予測的な対応は必須です。
内科ナースは慎重派で優しい、というイメージでしょうか?外科病棟よりは、内科病棟ではゆっくり時間が流れている感じがします…
外科と対照的に文科系の印象かもしれませんね。
私の循環器内科病棟時代の先輩は、穏やかで皆さん優しかったですが、急変時には豹変、心臓のことを語らせたらいつまでも止まらない!みたいな方が多くて頼もしかったです
病棟編、まとめ
配属決定前に部署別の業務内容を知っておくべき理由と、外科病棟・内科病棟それぞれの業務内容に関してお話してきましたが、いかがだったでしょうか?
自分はどちらかといえば内科派だなあとか、外科派だなあと思った方もいたかもしれません。
中央診療部門編は次記事にてまとめています。
病棟は外科も内科もどっちもピンと来ないぞ、と思った方、ぜひこちらの記事もご覧ください!
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!🥰