病棟からオペ室に来て、何もできない自分が嫌。辛いことばっかり…
不本意にオペ室異動になってしまった異動ナースさん、始めはこんな風に辛い思いをされる方がほとんどだと思います。
気持ち、わかります。病棟に戻りたい、と思ってしまいますよね
この記事では、病棟からオペ室へ異動したときに何が辛いかについて、私の経験を交えながらお話していこうと思います。
異動前の準備・心構えに関してはこちらの記事でご紹介しています。あわせてご覧ください。
異動後、「何もできない」と感じてしまう
病棟看護師とオペ室看護師、それぞれ同じ「看護師資格」をもって働いているはずなのに、部署が変わっただけでなぜ「何もできない」感覚になってしまうのでしょうか?
異動どころか、違う職種への転職?
病棟から病棟への異動では、診療科が異なることにより追加で勉強することがいくらか増えますが、
タイムスケジュールの作り方や患者さんへの関わり方、ケアの方法はこれまでの経験を大いに応用できます。
朝の準備や、注射薬・内服薬の準備、実施方法、オペ出しや検査出しの方法は同じ病院内であればほとんど違いはありませんよね。
入院している患者さんの身の回りのことを介助したり、退院へ向けて指導や調整を行ったりといったベースはどこの病棟にいっても変わらないと思います。
しかしオペ室は、言わずもがな、鎮静下の患者さんにオペが行われる場所です。
シンプルに、「病棟」と「オペ室」、働く場所が違います。従って業務が全く異なります。
私は異動したての頃は、もはや違う仕事じゃないかとすら感じました。
オペナースも、助産師や保健師みたいに、その資格を持ってる人だけがすればいいのに…と思っていました
新人に戻ったような気持ちになる
社会人経験、看護師経験はもう既に何年もあるのに、オペ室業務に関しては全くの初心者な訳なので、オペ室異動によりまた新人に戻ってしまったような気持ちになる人が多いです。
病棟ではメンバーとしてもリーダーとしてもバリバリ働けてたのに…
先輩や後輩に頼りにされる場面もあったのに…
一挙手一投足に目を光らされてちょっとしたことで注意されてしまう…
あの辛かった看護師1年目に戻ってしまったみたい。
指導されてばかりで、自分から動きたくてもどう動けばわからない。
これまで病棟で「出来ていた」「働けていた」自分と比べてしまい、自己肯定感が下がってしまいますよね。
人間関係
人間関係で悩むことは、大きなストレスになってしまいます。
上司、同僚、後輩との関係性…またイチから作り直し
異動前の病棟が、長く働いていた職場なら、仲のいい同僚がいたり、苦手な先輩がいても対処法がわかっていたり、心配な後輩のフォローの仕方がわかっていたりと、自分の居心地のいい関係性が築けていたかもしれません。それが異動に伴ってリセットされてしまいます。
これは異動先がオペ室であるないに関わらずですが、新しい職場での人間関係の構築、というのは中々に気の重たいことですよね。
人が多い
病院や施設によって異なるかもしれませんが、総合病院や大学病院の場合、オペ室が多いことに伴って、オペ室配置の看護師人数も病棟に比べて多い傾向にあります。
私の勤務するオペ室は、人事異動や産休・育休状態にもよりますが、所属している看護師が60~65名ほどいます。
加えて、診療科医師や麻酔科医師とも、病棟時代より密にコミュニケーションをとる場面が多くあります。
医師だけでなく、臨床工学技士、放射線技師、標本を取りに来る院生、器械の洗浄・滅菌を行う業者、器械やデバイスを持ってくる業者、…などなど、病棟時代とはまた異なる多職種の方々と接する機会が増えます。
人が多いと、相手の職種と顔と名前を覚えて、相手にも自分の顔と名前を覚えてもらうのが大変です。
しかもオペ室内ではみんなキャップとマスクを着けているから中々見分けがつかないんですよね…(笑)
お局も多い
これも病院や施設によるとは思いますが、オペ室はお局ナースが多い傾向にあるような感じがします…。
オペ室にずーっと長くいる、まさにお局!みたいな先輩が多く見受けられます。
解剖や術式にすごく詳しかったりして、彼女たちから学ぶべきところは大変多くあるのですが、何にしろこだわりが強く、自分が直介、お局さんが外回りだとキツく言われて辛いことも。
患者さんや他のスタッフの目がある病棟と違って、オペにつくと看護師はその部屋に直介と外回りの2人だけ、他職種は同じ部屋にいても、看護師間で繰り広げられているパワハラチックな指導は見て見ぬ振り。
閉鎖的空間になりやすく、直介・外回りの相性が悪いとかなりしんどいです。
給料が下がる
上記記事の、給料が減ったの項目でお話していますが、オペ室では病棟勤務より給料が少ない傾向にあります。
こんなにキツい思いをしているのに、給料まで下がってしまうなんて無理…とやり切れない気持ちになります。
経験を積んで夜勤に入るようになれば多少は上がってきますが、それまでが辛いです。
自分のやりたかった看護と違う
オペ室看護師になりたい、と学生の頃から思っている人って、どのくらいいるでしょうか?
少なくとも私含め、私の周りにはいませんでした。
授業で扱われる機会も少なく、オペ室看護師がどのような仕事をしているかというのはイメージしづらいと思います。
私は内科病棟勤務だったこともあって、病棟時代はオペ室でどんなことが行われているかや、オペナースがどんな風に働いているかなんて、考えたこともなかったし、興味もありませんでした
学生時代は患者さんに思いやりを持って接したい、と考えていたり、
病棟勤務時代は患者さんとのやり取りや、元気になって帰っていってもらうことがやりがいだ、と考えていたりする人が多いのではないでしょうか。
オペ室では、患者さんとお話できるのは短時間の術前訪問と入室時だけ。
あとは患者さんが麻酔で眠ってしまったあとにケアを行っています。
麻酔が覚めて退室を見送った後は、また次の患者さんのオペにつきます。
ひとりの患者さんが病気を克服してよくなって帰っていく、という長い経過を見ることはできません。
またいつか記事にしたいとは思っていますが、もちろんオペ室ナースだって患者さんへ心を込めて看護を行っています。
しかしそれを受け取ってもらえた、喜んでもらえた、と感じる場面が本当に少ないのです。
病棟での仕事が楽しかった方にとって、患者さんとの関わりが少なくなってしまうのは辛いことだと思います。
自分がやりたかったのはこんな仕事じゃなかった…とすら思ってしまう方もいるかもしれません。
まとめ
この記事では私の経験を踏まえながら、病棟からオペ室に異動して辛かったことについて紹介させていただきました。
異動経験のあるナースさん、共感していただけたでしょうか?
でも私は現在、オペ室でやりがいを持って楽しく働いています。
こちらの記事では、病棟経験を持ってオペ室へ異動したナースさんの強みについてお話しているので、ぜひ読んで元気を出していってください…!!
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました😊