病棟看護師として働いていたのに、来月からオペ室異動と言われた!
どうしよう…異動前って、何をしたらいいの?
異動までに勉強もいっぱいしなくちゃいけないの?
異動って、とにかくショックが大きいですよね。
それが、今まで働いていた病棟とは全く違うオペ室となるとなおさらです。
それも、辞令は異動直前に伝えられることがほとんど。
異動まで残り少ない日数で、何をしておくべきなのか混乱してしまう人もいると思います。
一旦落ち着きましょう!慌てなくても、大丈夫!
この記事では、異動を伝えられたその日からどのような準備が必要か、
どのような心構えをしておくべきなのかについて、
現役オペナースの私が、循環器内科からオペ室異動を伝えられた時の経験を振り返りながら、説明していこうと思います。
当初はとっても憂鬱だった異動ですが、現在私はオペ室で毎日楽しく働くことができていますよ!
突然のオペ室異動辞令…。ショックが大きい
異動を知らされるのはいつ?どうやって?
辞令が貼りだされてそこで知ったり、正式な発表がある前に管理者に呼び出されて知らされたり。
知らされる方法は病院や施設によって異なるかとは思いますが、異動の知らせは突然やってきます。
筆者の場合は、師長さんから電話で伝えられました。
ちょうどそろそろ人事が出る頃だったことや、自分が4年目と動かしやすい年代であることから、
電話がかかってきた時点で「異動だ…」とピンと来ました。
勘は当たっていて、2週間後にオペ室へ異動と告げられました。
異動希望にオペ室は上げていませんでしたし、
科は違っても病棟ならこれまでの経験を活かせますが、オペ室といったら未知の世界…。
頭が真っ白になって、絶望したのを覚えています。
オペ室異動を知らされた後の心境
私の場合、まだまだ循環器病棟でやりたいことがたくさんあったのに、という悔しさと、
また一から勉強したり、業務のことを覚えたりしなくてはならないことへの焦りや不安とで、とにかく混乱しました。
同じ時期にオペ室に異動した私の同期は、師長さんから呼び出され面談室で伝えられ、その場で号泣してしまったそうです。
この記事をご覧のあなたも、もしかしたらオペ室への異動を命じられた後かもしれません。
ショックで辛い気持ち、わかります。
まずは信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。
私は速攻実家に帰りました。笑
ちなみに、公式に辞令が出るまでの内示の時点では、
混乱を防ぐために漏らしてはいけないことになっている組織が多いと思います。
人に話す場合には注意をしてくださいね。
立つ鳥跡を濁さず。病棟での引継ぎや片付け
異動の知らせを受け、ショックを引きずってしまう方も多いかと思いますが、異動まではあまり時間がありません。
病棟で担っている仕事を、後任者にしっかりと引き継げるように準備する必要があります。
担当患者の引継ぎ
自分の受け持ち患者さんの情報や看護計画、サマリーなどを整理します。
師長さんに、どのスタッフにどの患者さんを割り振ってもらうかを確認しましょう。
長く付き合った患者さんには、自分が異動することや、次の受け持ちナースが誰になったかを伝えてもいいかもしれませんね。
係の仕事の引継ぎ
同じく係の引継ぎも整理していきます。
進捗状況やファイルなど、わかりやすくまとめておくと後任者は助かるでしょう。
ロッカーの片付け
自分が使用していたロッカーを片付けます。
看護師のロッカーは、研修用のファイルやレジュメ、参考文献などで、いっぱいになりがちです。
私はしばらく整理しておらずパンパンになっていたので、異動までの期間に少しずつコツコツと持って帰りました。
ロッカーががらんとしてくると、寂しさが増してきます。
病棟へ菓子折を準備
これは施設や病院、病棟の雰囲気や風土があると思いますが、
私の病棟では、異動前や退職前に、休憩室に菓子折を置いていく慣習があったので、事前に準備をしました。
スタッフ全員が2つずつ程度つまめる量の菓子折を準備。感謝のお手紙も書きました。
オペ師長と緊張のご対面…オペ室にご挨拶へ
看護師業界に限らず、異動先への異動前挨拶は社会人マナーとして必須なようです。
私も、異動経験のある先輩に相談し、オペ室へ挨拶へ伺いました。
アポイントをとる
院内の異動であるときには、メールだけではなく異動先の管理者に直接会いに行くのがいいかと思います。
いきなり行くのではなく、事前にメールでアポイントを取ると、すれ違いなどが生じずスケジュール的にも、心証的にもよいでしょう。
ご挨拶へ
アポイントをとった時間に伺います。
施設や部署によっては、管理者からロッカーや更衣、出勤時間などの説明をもらえる場合もあります。
勤務のことや異動後のスケジュールなどについて、聞きたいことがあればピックアップしておくのがいいいでしょう。
筆者はこの時に、気になっていた異動前の勉強について師長さんに直接質問しました。
異動前には、どのような勉強をすればいいですか?
全科のオペにつくと思うと、何から始めればいいか全くわからなくて…
師長さんの返答は意外なことに、
来て実際に見てみないとわからないと思うから、とりあえず何もしなくて大丈夫!
異動まではゆっくり休んで、体調を整えておいてね。
という感じでした。
解剖や器械の予習をしなければならないと思っていたので、拍子抜けしたのを覚えています。
器械や術式なんて分からないことだらけ!異動前の勉強どうすればいい?
筆者は、師長さんに言われた通り、何も勉強せず体調を整えることに専念しました。
行ってみて実感しますが、オペのことは、実際に自分の目で見て経験してみないと何もわからないのです。
看護学生の時も、器械出しや外回り看護について勉強する機会なんてほんの少しです。むしろ、あったのでしょうか…?筆者は覚えていません。
外科で働いていた看護師さんは多少馴染みがあるかもしれませんが、病棟に置いてある鋼製小物なんて、オペ室に山ほどある器械のほんの一部です。
器械や術式についてたくさん本を買って勉強しても、実際用いられるものは病院や医師によって全く異なるなんていうことが往々にしてあります。
せめてもと思って解剖を勉強しようにも、異動して何科のオペからつくかはわかりません。全身の解剖を詳細に理解するのは、一朝一夕では難しいです。
私は、異動前の勉強への不安を煽っているわけではなく、これを読んで、
「行く前から勉強してもあんまり意味ないか!まあいっか!」
と思っていただきたいのです。
異動後には、各科のオペに器械出しから入っていきます。
その日入るオペの術式は何科で、どのようなものなのか、
どの器械をどういう時に、どのように使うのか、
その都度勉強していけばいいと筆者は思います。
異動後の勉強の仕方については、今後記事にしていく予定です。
異動前、不安で仕方ない…やっておくべき心構えとは?
上述したように、まずは「分からなくても、できなくてもしょうがないか!」というメンタルを作ることです。
オペ室への異動が初めてであれば、何もわからなくて当然なのです。
私も当時は、いきなり知らない仕事に勝手に転職させられた気分でした。
病棟から病棟への異動では、診療科が異なることにより追加で勉強することがいくらか増えますが、
タイムスケジュールの作り方や患者さんへの関わり方、ケアの方法はこれまでの経験を大いに応用できます。
オペ室への異動はそのようなレベルではなく、仕事の内容がほとんど全部変わってしまうのです。
看護師としての経験が何年あっても、オペ室異動によりまた新人に戻ってしまったような気持ちになる人が多いです。
しかし、病棟で働いて得た経験がすべて意味のないものになってしまうわけでは決してありません。
病棟経験がある看護師さんは、患者さんを看て、触れて、会話をして、患者さんのニーズを捉える力にすごくよく長けています。
患者さんと関わる時間がぐんと少なくなり、寂しい思いをする方も多いですが、麻酔導入前や術前訪問の短い時間でも、患者さんのニーズを引き出せるのは、病棟経験があることの強みです。
働いていた病棟の診療科の解剖や治療に関しては、既に知識があるはずです。オペにつき始めたときに、きっと得意科目になります。
私はずっと内科にいて外科やオペのことなんて何もわからなかったけれど、
心電図が読めるというのはひとつの強みでした
病棟からオペ室へ異動したナースの強みについて、下記記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
異動後には辛い思いをすることもあるかもしれませんが、決して自分を「何もできない」と責めるのではなく、「できなくて当然、これから勉強すればいいや」という心持ちでいてください。
私が師長さんに言われたように、体調を整えて、とにかく自分に優しくしてあげてくださいね!
まとめ
オペ室異動前にやっておくべき準備、心構えについてお話してきました。
記事を読んで、異動前の不安な気持ちが少しでも和らいでくれると幸いです。
慣れるまでは辛いかもしれませんが、オペ室看護師もとってもやりがいのある仕事です!
一緒に頑張っていきましょう😉